ラジャスタン州は、インド北西部パキスタンとの国境沿いにあり、その国境地帯にはタール砂漠が横たわっています。
昨今「パキスタンとの国境」と聞いただけで「危険?」と思われる方も多いのですが、紛争地域は北部カシミール、
ラジャスタンはいたって平和です。

■ジプシーの音楽とダンス■
ラジャスタンの歌舞音曲は、砂漠の民・ジプシーたちによって伝承されてきましたが、
彼らの社会的地位は非常に低く、よって大変貧しいため、昨今は農業に転向する
楽士やダンサーも多いとのことで、このままではいずれ滅びてしまうかもしれない、
と当地の人たちも危惧していました。

彼らラジャスタンのジプシーは現在ヨーロッパに散らばる「ロマ」のルーツとされており、
その音楽やダンス、衣装には、確かにロマの音楽やダンスの片鱗が見られます。
その水脈は、フラメンコやベリーダンスへも流れ込んでいるようです。

ちなみにラジャスタンでは男性が女性と同じ踊りを踊ることがあるのですが、
これがどう見ても「女性のために作られた踊り」にしかみえない…(^_^;)
ヨーロッパなどで活動中のグループ「Maharaja」にはドラッグ・クイーンのダンサーが
いるし、もしかして「女形」の文化があるのかも?

なお、「Maharaja」のサイトには彼らの演奏のサンプルがあり試聴できます。

http://www.mymaharaja.com/downloads.htm

代々親から子へと伝えられてきたものだそうで、
音楽の楽譜やダンスの振りなどを記述したものはなく、まさしく「無形」文化財。
CDとかもほとんどないんですよね…。なんとかこれからも生き残ってほしいと思います。

私が見てきた踊りの一部をご覧下さい。

・グーマー(Ghoomar)【写真】 【動画】
足首にグングル(伝統舞踊の「カタック」で使われる、足首に巻く真鍮の鈴の束)をつけて、
シャンシャカシャンシャカ踏みならしながら、ヒップ・バンピングやショルダー・シミー、旋回
などを繰り返す踊りで、ベリーダンスやフラメンコとのつながりを強く感じさせるダンス。

・テラ・タリ(Terra Tali)【写真】
ヒモで繋いだ1対の真鍮の小さなシンバル(ジルにそっくり)を両手にそれぞれ持ち、
肩、腕、脚のすねなどに取り付けたシンバルを小気味よく打ち鳴らす踊り。
頭の上に壷や刀を載せた状態で、シンバルをブンブン振り回します。

・パニハリ(Panihari)【写真】
頭の上にいくつもの壷を載せていき、しかも終いにはガラスの破片や刀の刃の上に立ったりして
踊る(動きはあまり激しくない)、ちょっとキワモノ的な大道芸。

・チャルワス(Charwas)【写真】
頭の上に壷のようなものを載せて、その中で火を焚いて踊るダンス。熱そう〜。

■「チョーキ・ダーニ」■
州都ジャイプール郊外には「Chokhi Dhani」という施設があります。
これはラジャスタンのジプシー文化をテーマにしたテーマパークで、訪れた人は
音楽、ダンスをはじめさまざまな大道芸や、ラジャスタニ・フード、ラクダ乗りなどを
体験することができるようになっています。
パフォーマーの多くがティーンエイジャーにも満たない子どもたちなのが
ちょっと気掛かりですが(彼らは夜11時ごろまで延々とパフォーマンスをさせられているのです)
滅びつつある文化を保存していくためにも、こういう施設があるのはいいこと
なのかもしれません。ジャイプールを訪ねることがあったら、ぜひ行ってみてください。
そしてもし子どもたちのパフォーマンスが気に入ったなら、チップをあげてくださいね。
■「ナヴラトリ・フェスティバル」■
「Navratri Festival」はヒンズー教の女神「ドゥルガー」を祀るもので、
ヒンズー暦の年末年始に当たります(西暦で9月ごろ)。
最も盛んなのはお隣のグジャラート州なのですが、ラジャスタンでもこの時期は、
街のあちこちの寺院や路上に「大盆踊り大会」が出現。
踊り自体は棒を1本ずつ両手に持って踊る、まさしく「盆踊り」的なマッタリした踊り。
誰でも踊れる簡単な踊りなので、インド人はもちろん、海外からの旅行者も参加して
連日深夜まで盛り上がってました。